三浦半島唯一学問の神 久里浜天神社
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天神様菅原道真公のお話
第二十六話
その⑫春立ちかえる【前篇】


讃岐守(さぬきのかみ) 四ヵ年が終わり、道眞が都に帰ってきましたのは、宇多天皇の寛平二年(890)のことでした。

どうしたことか基経は、その年は病気つづきで、すっかり元気がありません。年の暮には、到底だめというので、関白をやめましたが、あくる寛平三年の正月には、とうとうなくなってしまいました。

基経には、 時平(ときひら)仲平(なかひら)忠平(ただひら) という三人の息子がありましたが、まだ三人とも年が若くて父のあとをついで威勢を振るうという程でありません。

藤原 良世(よしよ) という人もいましたが、これは70歳のおじいさん、年の功でやっと右大臣にしていただいたというだけで、藤原氏には、これという人物がありません。

左大臣に 源融(みなもとのとおる) という人がありますが、これも70という老人、その上、東六条に 河原院(かわらのいん) というやしきをつくり、毎月 難波(なにわ) から海の水を汲んで来て釜を似させ、 奥州鹽竈(しおがま) の風景をまねてよろこんでいるという具合です。

天皇の御側近くには、厄介者もないが、頼りになる人もありません。この時、天皇はお考えになりました。

「この平安京に都がうつされてから、今日まで、かれこれ百年になる。この百年の間をふり返ってみると、どうもその始め頃の 桓武(かんむ)平城(へいぜい)嵯峨(さが) の御三代の頃は、世の中が生き生きとしていたようだ。
才のあるもの、学問のある者は、どしどし高い官に進められた。そこで、人々は学問にはげむし、すぐれた人物が政治をするのだから、国内はよく治まった。国民は上の者も下の者も、よろこびにあふれ、活気に満ちていた。

ところが、どうだろう。この頃は、国民にはつらつとした気分がないようだ。頭がよくても学問があってもだめだ。藤原氏だけが威張っていて、ほかの氏の者には、頭をあげさせない。どんな立派な人物であっても、その人が藤原氏でなければ、高い官職にのぼれないというのでは、気がくさってしまう。学問も才もない、ただ家柄だけがよい、というような役人では、よい政治の行われるはずがない。

これではいけない。このままでは、我が国の発展は望めぬ。誰か立派な人物を用いて、政治をたすけさせよう。そうすれば、世の中の者達も、藤原氏でなくても出世は出来ると知って、気分が朗らかになるろう。立派な人物が次々と出てくれば、政治はよく行われ、国の勢いは盛んになる・・・・・。」

こうお考えになって、すぐさま天皇の御心に浮かんだのは、道眞の名でした。

道眞はこの頃稀な大学者であり、正しいと思ったことは、どこまでも曲げぬしっかりした人物だとご存知だったからです。

基経がなくなって、一月あまりたった2月29日のことです。道眞を 蔵人頭(くろうどのとう) に任ずるとの御命令が下りました。



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菅原道眞公のお話 目次
第一話 其の①男子生まれる【前編】(10/2) 第二話 其の①男子生まれる【後編】(10/3)
第三話 其の②学者の家【前編】(10/4) 第四話 其の②学者の家【中編】(10/5)
第五話 其の②学者の家【後編】(10/6) 第六話 其の③双葉芳し【前編】(10/7)
第七話 其の③双葉芳し【後編】(10/9) 第八話 其の④月の桂【前編】(10/11)
第九話 其の④月の桂【後編】(10/13) 第十話 其の⑤文武を磨く【前編】(10/15)
第十一話 其の⑤文武を磨く【後編】(10/17) 第十二話 其の⑥官途につく【前編】(10/21)
第十三話 其の⑥官途につく【中編】(10/24) 第十四話 其の⑥官途につく【後篇】(10/28)
第十五話 其の⑦母をうしなう【前編】(10/30) 第十六話 其の⑦母をうしなう【後篇】(11/1)
第十七話 其の⑧文章博士【前編】(11/3) 第十八話 其の⑧文章博士【後篇】(11/6)
第十九話 其の⑨白氏に同じ【前篇】(11/8) 第二十話 其の⑨白氏に同じ【後篇】(11/10)
第二十一話 其の⑩讃岐に赴く【前編】(11/12) 第二十二話 其の⑩讃岐に赴く【後篇】(11/15)
第二十三話 其の⑪阿衡の儀【前編】(11/17) 第二十四話 其の⑪阿衡の儀【中編】(11/19)
第二十五話 其の⑪阿衡の儀【後編】(11/21) 第二十六話 其の⑫春立ちかえる【前編】(11/23)
第二十七話 其の⑫春立ちかえる【後篇】(11/25) 第二十八話 其の⑬歴史家道眞【前編】(11/27)
第二十九話 其の⑬歴史家道眞【中編】(11/30) 第三十話  其の⑬歴史家道眞【後編】(12/2)
第三十一話 其の⑭遣唐使を停む【前編】(12/4) 第三十二話 其の⑭遣唐使を停む【中編】(12/7)
第三十三話 其の⑭遣唐使を停む【後編】(12/13) 第三十四話 其の⑮知命の賀【前編】(12/15)
第三十五話 其の⑮知命の賀【後編】(12/18) 第三十六話 其の⑯天皇の師伝【前編】(12/21)
第三十七話 其の⑯天皇の師伝【後編】(12/26) 第三十八話 其の⑰大和への旅路【前編】(H.17/1/24)
第三十九話 其の⑰大和への旅路【後編】(1/24) 第四十話 其の⑱右大臣に昇る【前編】(1/29)
第四十一話其の⑱右大臣に昇る【後編】(2/9) 第四十二話其の⑲御衣を賜わる【前編】(2/14)
第四十三話其の⑲御衣を賜わる【後編】(4/15) 第四十四話其の⑳禍きたる【前編】(4/20)
第四十五話其の⑳禍きたる【後編】(4/21) 第四十六話其の21 流れゆく身【前編】(4/23)
第四十七話其の21流れゆく身【後編】(4/25) 第四十八話其の22明石の驛【前編】(5/4)
第四十九話其の23明石の驛【後編】(5/10) 第五十話其の24筑紫への道(7/5)

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